セミナー・研究会の報告
2017/09/09 第162回Child Abuse研究会を開催しました
2017年9月15日
◆講師
中村 正 氏(立命館大学 産業社会学部 応用人間科学研究科 教授)
◆テーマ
女性や子どもにどうして暴力を振るうのか~~男性・父親への脱暴力支援のために~
中村先生は、暴力と虐待の加害者の臨床を研究され、親密な関係にある相手をコントロールする行動としての暴力の中心にあることについて、少年刑務所での性犯罪者処遇、DV加害男性のグループワークなどの実践をとおしてわかりやすく講義されました。
対人暴力の多様なかたちについて、直接の暴力だけでなく、孤立させ、統制するなどの仕組みを「関係性の病理」として興味深く話され、身近にあることとして学ぶことができました。
今回のCA研では、普段接しているケースの理解を、加害者という新たな視点で考える事が出来、この理解を今後の支援にいかしていきたいと思います。
◆参加者の声
参加者は、児童相談所、医療機関、市町村、保健センター、学校など多くの機関から、63名の参加がありました。アンケートでは98%の方から「大変よかった」「よかった」との回答がありました。
アンケートから・・・
男性が暴力を振るう心理につて学びました。「処罰だけではだめ」に大変納得しました。
母親の視点でみることが多かったので、父親の視点で見ることができてよかったです。
暴力=男性性の裏側が、垣間見えました。仕組みが少し理解できると、父親への支援ももっと効果的にできるかもしれません。「アンパンマン」も「明日のジョー」も暴力の助長という視点は面白かったです。
暴力を振るう加害者の心理やその支援の大切さが分かりました。加害者を責めるだけでは解決しないので、このような対応について幅広く知っていける場や機会がもっとあればよいのにと思います。
男性の心理を改めて知ることができました。男親塾での実際の話を通して、地域で支援している夫、父親と家族システムの理解を広げていきたいと思いました。
加害者支援、予防がないと、この連鎖はいつまでも続くと思います。予防には、家庭、教育で思いやりの心を育てるカリキュラムが必要だと思います。学校の動きも大切ですが、家庭はとても難しくなっていると思います。