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【講座レポート】第25回APCA記念フォーラム「居場所のない子どもたち」を開催しました

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2026年6月13日(土)、第25回児童虐待防止協会総会記念フォーラムを開催しました。
フォーラムには、125名のお申し込みがあり、当日は、それを超える、多くの方がご参加くださいました。

「居場所のない子どもたち~大阪ミナミ・グリ下に集まる若者の声」と題して行われた本フォーラムは、講師に、認定NPO法人D×P(ディーピー)理事長の今井紀明氏をお迎えし、家庭に頼ることが難しい子どもや若者の現状と、その課題に対するD×Pの取り組みについてご講演いただきました。

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家庭にも学校にも居場所がない孤立した子ども・若者の現状

子ども・若者の孤立が社会問題として報じられるようになったのは、2008~2010年頃だったとお話しされました。

しかし、状況は改善するどころか、近年は「不登校」という新たな社会課題も深刻化し、家庭だけでなく学校にも居場所を見出せず、孤立していく子どもが増えていると語られました。

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オンライン相談「ユキサキチャット」

D×Pの主要な取り組みの一つに、13歳から25歳までを対象としたオンライン相談「ユキサキチャット」があります。現在では、累計登録者数が2万人を超えるなど、多くの若者に利用されています。

相談内容は、家庭に頼れないことによる生活困窮や住まいの問題、親に奨学金を使い込まれてしまったケースなど、多岐にわたるそうです。
相談者の状況に応じて、食糧や生活物資の提供、現金給付などを行うとともに、30以上の行政機関、130以上の団体と連携し、必要な支援へつなぐとお話しされました。

「ユキサキチャット」食糧支援については、調理器具がない人には、火を使わずに食べられる食品を、食欲が低下している人には、簡単に口にできるゼリーなど、相談者の生活環境に合った食糧を届けているということでした。

また、「ユキサキチャット」の相談者たちは、孤立した状況にありながらも、ご自身で「ユキサキチャット」を見つけ、お困りごとを相談するなど、少なくとも「助けて」を言える力を持っている方が多いと話されました。

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「グリ下」に集まる若者たちへの支援

一方で、大阪・ミナミの「グリ下」に集まる若者たちは、大人や行政への不信感が強く、自らがSOSを出さないことで、より支援にはつながりにくいと言います。

若者たちは、「グリ下に来て、友達ができた」「自分を認めてくれる人がいた」と言い、グリ下は一つの居場所になっているそうです。

D×Pでは、こうした若者たちが自由に立ち寄れるフリーカフェを、2022年8月から大阪・ミナミの路上に開設しました。ピンク色のテントで活動していたことから、若者たちの間で「ピンクテント」と呼ばれるようになったそうです。

活動開始から8カ月で、のべ約700人の若者が利用し、食事や日用品を配布。食事を受け取るだけでなく、テントに長く滞在する若者もいたといいます。

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若者とともにつくるユースセンター

2023年には、若者が安心して過ごせるユースセンターを大阪・ミナミに開設しました。

ゲームをしたり、絵を描いたり、食事をしたりと、若者が自由に過ごせる場所として、週2日開所しています。

運営は、若者の意見を取り入れながら行われていて、メイクができるスペースや、TikTokなどの動画を撮影できる場所を設けるほか、さまざまなイベントも開催しているそうです。

センターで食べられる食事以外にも、持ち帰ることのできる食品、衣類、日用品も用意されています。

また、商店街のお祭りや清掃活動、ゴールデンウィークのカラオケ大会などを通して、地域との関係づくりにも取り組んでいます。

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日々は、さまざまな出来事の連続

一方で、講演では、決して明るい話ばかりではないことも語られました。

目を合わせず、話しかけてほしくないという雰囲気をまとった若者に、スタッフがどのように関わるべきか難しさを話されました。
オーバードーズによって、ふらついた状態で訪れる若者もいるそうです。

ユースセンターで受けた相談は、企業やNPO、行政機関などと連携しながら支援にあたっていますが、そのすべてが順調に進むわけではありません。

本人との関係だけでなく、相談内容によっては保護者と話し合うケースもあり、一人ひとりの状況に応じた丁寧な対応が求められるそうです。

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支援で大切にしていること

今井氏は、大人に中々心を開いてくれない子どもや若者について、目の前の大人を攻撃しようとしているのではなく、自分自身を守ろうとしているんですと話されました。

本人の気持ちを尊重し、否定せず、一人の人として関係を築くことが大切で、アドバイスではなく、相手を知ろうとする姿勢を持ち、本人の意思を尊重しながら選択肢を示していくことを、大切にしています。

初めてユースセンターを訪れてから、本格的な相談につながるまで、平均で約9か月かかるというお話もありました。

長い時間をかけて傷ついてきた若者が、すぐに心を開けるとは限りません。支援する側が望むとおりに状況が進まないこともあります。

過度な期待を押しつけるのではなく、本人のペースを尊重しながら、継続して関わることの大切さを改めて学びました。

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グリ下をなくせば、問題は解決するのか

これまで自治体は、「グリ下」に塀を設置するなど、若者が集まりにくくするための対策を講じてきました。しかし、若者たちは隣の橋や別の場所へ移動するだけで、根本的な問題の解決には至らなかったそうです。

今井氏は、「繁華街は、子どもたちにとって最後のとりで」と表現されました。そして、そこで行う支援は、彼らを守る「最後の防波堤」なのだと語られました。

おわりに

講演終了後の質疑応答では、多くの方から質問が寄せられ、本テーマへの関心の高さがうかがえました。

一つひとつの質問に対し、今井氏が「それは本当に難しい質問ですね。」と悩みながら答えられていた姿が印象に残りました。

ご参加・ご協力いただいたすべての皆さま、そして貴重なお話をお聞かせいただいた認定NPO法人D×P(ディーピー)理事長・今井紀明氏に、心より御礼申し上げます。

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