
9月27日(土)「子ども虐待」実践講座を開催しました。
今回は、豊中市こども未来部はぐくみセンター長・濵政 宏司氏による「豊中市はぐくみセンターにおける活動」 です。

講座では、濵政氏が実際の現場で関わったケーススタディをもとに、センターの活動内容や、児童相談所・若者支援団体など他機関との連携の取り組みを紹介。
グループワークも交えながら、豊中市におけるこども家庭センターの現状をわかりやすく学ぶ機会となりました。
本記事では、その当日の様子をレポートします。

講義の前に、アイスブレイクとして「記号が表す数字を記憶し、計算する」グループワークを行いました。
グループごとに正答率にばらつきが見られましたが、実は配布されたワークシートの内容が異なり、難易度に差があったという種明かしがありました。
こども家庭センターでは、複数の関係機関が連携しながら同じ家庭を支援することがあります。
その際、制度の隙間をどの程度埋められるかが重要であり、ケースワークでは「できるだけ簡単なシートで対応できるようにする」ことが求められます。
このアイスブレイクは、そうした考え方を学ぶための導入として行われました。

こども家庭センターが設立される以前は、児童相談所と母子保健との連携が十分に取れず、各家庭の支援ニーズを把握することが難しい状況にありました。
特に、未就園の子どもや、3歳以上で幼稚園に通っている子どもの場合、母子保健との接点が少なく、実態の把握が困難でした。
さらに、支援の必要な家庭を把握できたとしても、当事者が本当に求めているサービスが存在しない、または届きにくいという課題もありました。
豊中市のこども家庭センターでは、従来の親支援に加えて若者支援(児童育成支援)も実施できるようになり、「家族まるごと支援」を目標としています。
妊娠期から学童期以降まで、切れ目のない相談支援体制を整えることで、継続的なサポートが可能になりました。

同センターでは、こども安心課・こども支援課・児童生徒課の相談支援記録をすべて一元的に管理しています。
連携に関する情報は、基本的に関係者全員が閲覧可能とされており、より効果的な支援が行える体制です。
*取扱注意の連携情報及び各係の相談対応記録を除く。
冒頭のアイスブレイクで扱った「わかりやすい情報共有」という考え方にも通じるように、誰にとっても理解しやすい形で情報を整理・共有することで、課題を早期に発見し、これまで制度の隙間にこぼれ落ちていた家庭への支援につなげることができるようになっています。

グループワークでは、過去の事例をもとに「どのような支援が可能か」を参加者同士で話し合いました。
父親が“しつけ”の名のもとに暴力を正当化しているケースでは、それを虐待と理解してもらうことの難しさや、母親と協力しながら支援の糸口を見出す工夫など、現場のリアルな課題と対応について深く学ぶことができました。

市が行う産前からの伴走支援というものの全体像を見せていただいて大変勉強になりました。インフォーマルな支援をそこに組み込んでいくことが大切だという視点に共感しました。
東大阪市、八尾市のシステムも自分で調べてみようと思います。
40歳代/保育士
子ども家庭福祉を展開する上で、地域でのシステムづくり、専門職間の連携(つながり)が欠かせないとあらためて学びました。ワークもあり、実感を得やすかったです。また、お話をお伺いしたいです。
50歳代/相談員
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