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【講座レポート】子ども虐待 基礎講座2026「虐待対応の仕組み​」

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7月11日(土)、18日(土)、25日(土)の3日間にわたり、「2026年度 子ども虐待 基礎講義」(全7講義)を開催しました。
3日目となる7月25日(土)は、当協会 企画・研修専門員の垣内陽子氏を講師にお迎えし、「虐待対応の仕組み(見立て、発見~対応、要対協について)」をテーマにご講演いただきました。

これまで児童相談所の職員として虐待対応に携わってこられた垣内氏の講義では、虐待の見立てから通告、調査、そしてその後の支援の流れについてお話しいただきました。

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虐待とは、どんな行為?

虐待というと、殴る、蹴るといった行為をイメージしがちですが、親から無視される、兄弟間で差別的な扱いを受ける、その子だけを置いて家族が食事に出かけるといったケースもあります。

また近年では、夜中まで勉強させたり、多くの習い事をさせたりする事を、「教育虐待」と言われたりしています。

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「虐待かも」と思ったら・・・

もしも日常の中で「虐待かもしれない」と感じる出来事があっても、「間違っていたらどうしよう」「たまたまその日だけかもしれない」と、通告をためらうことがあります。

しかし垣内氏は、通告する側に立証責任はなく、結果として間違いであっても大丈夫だと話されました。

例えば、“泣き声通報”として「近所からひどい泣き声が聞こえる」という連絡を受けて訪問すると、「お風呂に入るのが嫌で泣いていた」「寝る前にアイスクリームが食べたいと大泣きしていた」ということもあるそうです。

虐待でなければ「よかったですね」で終わる話であり、ご近所の方が気にかけていること自体が大切だと話されました。
また、訪問をきっかけに保護者から子育てについての相談を受けて、支援につながることもあれば、一つひとつは小さな出来事でも、2回、3回と通告が重なることで、虐待リスクが高まることもあります。
どこで泣いているのか、場所が特定できない場合でも、一度連絡してみてください、と話されました。

垣内氏は、「通告は密告ではない。『心配です』という連絡だと考えてほしい」と話されました。

また近年では、DVや夫婦喧嘩で警察が呼ばれ、その場に子どもがいた場合に、警察から児童相談所へ通告されるケースも増えているそうです。

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通告先は

通告先として、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」があり、全国共通で24時間365日対応しています。
匿名での通告も可能です。

緊急の場合は警察へ通報します。
警察が現場で対応し、保護が必要でない場合でも、後日、児童相談所が対応をされるそうです。

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通告した側と、通告された家庭のプライバシーの保護

基本的に、「誰から通告を受けたか」が相手に伝えられることはないそうです。

同様に、通告した側にも、通告された家庭の具体的な事情や経緯が報告されることはありません。
ただし、「対応した結果、落ち着いています」といった程度のことは伝えられる場合があるとのことでした。

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学校や保育所が通告する場合

学校や保育所から通告した場合、発見した状況などから、保護者に通告元を推測されることもあります。
学校など子どもと関わる機関には通告の義務がありますが、先生方には「保護者との関係が悪くなるのでは」といった不安もあるそうです。

しかし、通告を受けたからといって、児童相談所がすぐに家庭へ介入するわけではありません。
命に関わるような緊急性がない場合には、まず学校や保育所と相談し、先生から保護者に「心配している」「どうしたらいいか一緒に考えよう」と伝えるなど、対応を検討するとのことです。

こうした対応策を検討する時間が必要なため、気になることに気づいたら、子どもが下校・降園する前のできるだけ早い段階で連絡してほしいと話されました。

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保護者への伝え方

虐待の中には、親が「子どものために」「しつけなければ」と一生懸命に取り組むうちに、行為が次第にエスカレートし、虐待に至るケースも多いそうです。

そのため、子どものことで周囲から親に伝える際には、「意図は合っている。ただし、方法が間違っている」という姿勢で、行為をとがめるのではなく、「こういう時は、こうしてみましょう」と具体的な方法を伝えていくことが大切だと話されました。

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子どもへの関わり方

一方、子どもへの対応では、一時保護などで家庭から離れる必要があっても、学校や友達と離れたくないという子どももいます。
「では、こういう時には、ここへ助けを求めよう」など、子どもの気持ちが置き去りにならないよう、本人の気持ちを尊重しながら支援の方法を一緒に考えていくそうです。

また、子どもが話したがらない場合は、無理に聞くことはしないそうです。
ただし、「誰にも言わないで」と言われた場合には、支援者一人で抱え込まず、「私一人では、あなたのことを助けられないから、この先生には話させてね」などと伝え、周囲と連携して支援していくことが大切だと話されました。

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施設措置による支援

子どもが施設入所となった場合、親には「子どもを取られる」「自分の子育てを否定された」といった怒りや不安があります。

また、「施設に預けたら、もう誰も自分のことを心配してくれないのでは」と感じる親もいるため、施設に入った後も親の話を聞き、これからのことを一緒に考えていくと伝えることが大切だそうです。

施設は、子どもを家庭から離すだけの場所ではなく、親子関係のこじれを見直し、整理しながら、関係を見つめ直していく場所でもあると話されました。

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在宅による支援

在宅支援では、学校だけでなく、地域にあるさまざまな資源や人とのつながりを活用しながら、子どもや家庭を支えていくことが大切だと話されました。

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要保護児童対策地域協議会

講義では、特に支援が必要なケースを登録し、関係機関が連携して支援体制を強化する「要保護児童対策地域協議会(要対協)」についてもお話しいただきました。

要対協は、関係機関につながらないまま子どもが亡くなるケースがあったことなどを背景に設置されました。
現在は、子どもを保護するだけでなく、予防的に支援していくという視点から、要保護児童だけでなく、要支援児童やその保護者、特定妊婦も支援の対象となっているそうです。

特にきめ細かな対応が必要なケースでは、個別ケース会議を開き、学校や保育所、医療機関などがそれぞれの情報を共有しながら、必要な支援につなげていきます。

また、保護者が支援を拒否する場合でも、関係機関で情報を共有しながら子どもの安全を見守り、危険があればすぐに対応できるよう支援体制を整えていくとのことでした。

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子ども家庭センター

また、子ども家庭センターについても紹介されました。

子ども家庭センターでは、親御さんと一緒に「何に困っているのか」を整理しながら、必要な制度や支援につなげていきます。
サポートプランを一緒に作成し、継続的に支援していくそうです。

そのほか、子どもの居場所づくりなど、地域全体で子どもや家庭を支える取り組みも広がっているとお話しして講義を終えられました。

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まとめ

講義を通して、虐待対応の全体の流れをわかりやすく理解することができました。

講義では、実際の事例も交えてお話しいただきましたが、中でも、施設入所となった男の子のお話がとても印象に残りました。

その子は、施設でさまざまな問題を起こしたそうです。それでも、「どれだけいろいろなことをしても、僕は見捨てられなかった。施設の先生がずっと関わり続けてくれた。だから、今僕はこうしてここにいる」と、垣内氏に話されたそうです。

「虐待かどうかわからないけれど、心配」と思ったら、まずは189に相談してみる。

その小さな気づきや行動が、子どもを支援につなげるきっかけになるかもしれません。

「見捨てられなかった」という彼の言葉は、施設の先生だけでなく、子どもの周りにいる私たち一人ひとりの大人にも問いかけられているように感じました。

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